最近は翼の実験として、主材料であるスタイロの種類を変えてみようかなあと、色々試しています。厚さが一ミリ変わるだけで耐久性や重さがぜんぜん変わる部分ですが、厚さを変えるのはわざわざ型を変えたりせねばならないためなかなか手間もかかるということもあって、密度の違うスタイロを使えばよくなるんではないかという試みです。

現在使っているスタイロは一種類のみですが、いろんな種類を採用してみるというのは、なかなかいい考えなんではないかと思います。それぞれの特性を理解すれば、最大限効率的な利用が出来るだろうからです。
ベテランの宮大工ともなると、建物を建てるときに、この柱には、この床にはどの木がいいか、それも桧や杉といった種類だけでなく、木のどの辺の部分がいいか、といったところまで分かるんだそうです。長年の経験というのはすごいものですね。
加えて言うならば、飛行機を作る人間にだって同じことが言えます。切削、接着、組立、統括と、色々得意なことの異なる様々な人間が作るから良いものが出来るのではないでしょうか。
多様性というのは、細胞分裂から性生殖へと生物が進化する過程で得たもっとも重要な要素ですから、それをうまく使えば人力飛行機も、もう一段階進化を遂げられるのではないか、と期待しています。

「おーい、竹田。ヤスリって何番買ってくんだっけ?」
「とりあえず粗い60番くらいのと普通使う240や400あたり。」
「あいよ~」
テッテケテ~
「買って来たぞ。とりあえず粗いの40と60と100。一応180も買って来た。240と400はこんだけあればいいだろ。後細かい作業用に1000と2000もあるぞ。」
「え~、駄目やって、粗い奴は紙だと耐久性低いから布ヤスリじゃないと。あとどっちかっていうと80と120あたりがよかってんけど。」
「布も一応100と240があるぞ。あと、耐水ペーパー型の180と400もあるが、高いからあんまりなあ。」
「だめやって、布で40、60買ってこんと。あとぉ~、耐水ペーパーならもっと細かい500とか買ってこんと使いにくいんやけど」
「わかるかボケェ!」
「うん、ごめん」
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180と240の違いなどは見た感じさっぱりわからないんですが、実際削りに詳しい他メンバーに言わせるとぜんぜん違うんだそうです。パシリとしては迷惑な限りです。