三課長のバードマンニッキ

京都大学バードマンチームShootingStars在籍時の、人力飛行機制作に打ち込むさまを赤裸々に綴ったブログ、 になる予定が自分の趣味丸出しになったブログです。 もとのブログが潰れて以来放置していましたが、なんとなく思い立ったので引越しして復活させました。修正・更新はしませんが良ければ御覧ください。 これで携帯にも対応です。 時系列順になっていますので、一番古い記事の人物紹介を一読頂くと他の記事がわかりやすいかと思います。

2005年07月

The end of Birdman Diary

今日は昼をとうに回ったころ、暑い陽射しにうなされるように目が覚めました。目覚めが悪いのは相変わらずです。こんにちは、トラック運転もしばらく充電期間が欲しい三課長です。
しばしば、大きなことがあった次の日というのは、そのことが夢だったんじゃないかと感じることがあるというのは良く聞く話で、私も京大に受かった次の日などにはそんな不安を感じた記憶があります。
しかし、今回はそういった感覚はありません。それは多分、我々の成し遂げたことが分不相応な奇跡的なことでは無く、完成度、錬度からいえばけして不可能ではなかったことだからじゃないかと思います。
だから、今回の成功が信じられない、ということは無いです。しかし、だからこそ。疑いなく「信じられる」成功だったという喜びがある。はっきりと実感できる喜び、というのはとても価値があることのように思います。

まずはご存じない方もいらっしゃるかと思うので結果から。
Shooting Starsは17日の大会プロペラ機部門、16番目にフライト。向かい風1.8mという好条件の中、見事離陸に成功!進路を北にとり飛行を続け、見事2054.41mの飛行記録を達成しました。今回の出場20チームの中でも5番目の好記録です。

ついに・・・という感じですね。ケツペラに変更してから10年以上、運の悪さもあって定常飛行に入ることが出来ず、弱小のレッテルを貼られ、前回、前々回と連続で書類選考落選の憂き目にあうという屈辱を味わってきた私たちですが、ついにそれを払拭する見事なフライトを行うことが出来ました。本当に皆さん、ありがとうございました。

フライト前、眠れないときにぼんやりと考えていたことがあります。
2年半近く人力飛行機作りをしてきて、辛いことはいっぱいありましたし、正直な話、もう辞めたろかこんなサークル、と思ったこともあります。
もし、大会でフライトに成功したなら、確かに笑顔で引退できるでしょう。ですが残念ながら私は終わりよければすべてよし、と単純に考えられない性格なので、そんなマイナスな思い出はもう忘れたよ~とはなれないだろうなぁと。(実際、今でも苦い思い出も色々と心に残っています)
でも、もし成功でも失敗でも。色々と愚痴は言ってしまうかもしれないけれど、やっぱりよかった。楽しかった。このサークルを選んだのは、間違ってなかった。
それは今思い返すと、陳腐で言い訳混じりな考えにも思えます。しかし、あの大会前の疲れと緊張で余裕がなかったとき、それでもそう思えたというのは、とても価値あることだったと思います。本当に、この二年半は大きな財産になりました。


最後に、素晴らしいライトスタッフたちに感謝の言葉を贈ります。
会長、私の陰謀で無理矢理就任させちゃってごめんなさい。最後なんで普段通り呼ばせてください、ご苦労さんでした、ボス!!
市場、お前の明るさがなかったらうちのサークル、蛍光灯一本分は暗かったことでしょうw。幾度もの着陸失敗にも耐えた積層技術には感服です。
ミイ、変なあだ名も笑って流してくれたおまえに乾杯。電装班なのに主翼も手伝ってもらっちゃって、それでも手を抜かない几帳面さはステキです。
片平、ついに全国区ですね。でもそろそろバカップルは卒業しようねぇ?あの緊張の中、見事でした。これからは君がヒーローです。
竹田、結局訛りは最後まで取れなかったねえ・・・。これからは腰を労わってやって下さい。おまえの後縁技術がこれからも引き継がれることを願って。
ユキオ、お前の人力機の知識は間違いなくうちの財産です。京バ竹中家時代初の成功だし、きっと親御さんもあのことは許してくれるさ。
リンダ、設計・ペラ・駆動と手広くご苦労さまです。漫画読みにうちに来るのはいいですが、いつか高校時代の女性関係ははっきりさせてもらうぜよ。
梅密、お前という「からかわれ役」がいたからこそ、サークルもニッキも笑いを絶やさずいけました。彼女が出来ることを心から願ってます。いやマジで。
そして俺、よう頑張ったほんと(笑)
他にも、身勝手な先輩を手伝って頑張ってくれた二回生諸君、素敵な応援をしてくれた一回生メンバー、人手不足で手伝ってもらっちゃったOB、OGの方々、本当にありがとうございました。フライトの成功は皆さんのおかげです。

そして、バードマンニッキを読んでくださった貴方。こんなおバカな文章に最後まで付き合って頂いてありがとうございました。
明日からは「バードマンニッキZ」として装いも新たに新登場!!
・・・は残念ながらしませんが、このニッキで貴方に少しでも人力飛行機の面白さが伝わったなら、そしていつまでも人力飛行機、更にはShooting Starsを好きでいてくれたなら、幸いです。

流れ星の輝きが、いつまでも貴方の心の中に残りますように・・・
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バードマンちょっといい話第11話

蝉は、サナギとして土の中にいるときと、成虫となって夏の青空に飛び立つときと、どちらが幸せなのだろうかと考えることがある。無論、普通に考えるなら狭苦しい地中より、自由に飛びまわれるほうが幸せだと思える。だが本当にそうだろうか?
何年も土の中にいる間、蝉は外敵の恐怖に晒されることも無く、静かに過ごすことができる。いつか飛び立つ日のことを夢見ながら、少しずつ成長していくだけでいい。しかしいざ成虫となって飛び立てば。鳥や人やという外敵に怯え、他の蝉と子孫を残すために争い、例え生き残れても夏の終わりとともにその短い自由な時は終わりを告げてしまう。そう、蝉にとって成虫になるとは、沢山の枷を付けて大空に飛び立たねばならないということでもあるのだ。

鳥人間コンテストがあくまでテレビ番組であるという特殊性は、多くの枷を私たちに課す。デッドウエイトとなるオンボードカメラを積まねばならなかったり、飛び立つ時の条件を選べなかったり。しかし最大の枷は、それが番組として「全国に放送される」ことだろう。成功であれ失敗であれ(まあ失敗なら短くカットはされるだろうが)フライトは多くの、日本中の人に見られることになる。そのプレッシャーは相当なものだろう。
とはいえ、私たちのほとんどはそう硬くなることもない。本番、プラットフォームに昇った時点で、私たちのすべきことはほとんど終わるからだ。テレビにもそう映ることはなく、後は保持するくらいのもの。夏の青空の下に出てしまえば、もう出来る事は何も無い。そう、ただ一人を除いて。
われらがパイロット、片平圭貴にすべては委ねられるのだ。

本番では、少しのミスが命取りになる。高いポテンシャルを持ちながら、わずかな失敗で墜落の憂き目を見た機体は数知れない。まして我々の機体は今まで本番でロングフライトをしたことが無い。しかし、去年の記念飛行や今年の試験飛行を見るに、今年はかなり期待が持てると言えるだろう。
思えば不条理なもので、私たち作業する人間が機体をいいものにすればするほど、パイロットは追い詰められていく。前後、左右のバランスが完璧になるほど、試験飛行で操縦訓練の数をこなすほど、失敗したときの言い訳ができなくなっていくから。そして私たちの期待も大きくなっていくから。片平が背負わねばならない期待は、おそらくオンボードカメラなどよりはるかに重く感じられることだろう。

その重圧と、失敗への恐怖感と、本番への不安と・・・おそらく、私には想像もつかないくらい、片平は数々の心配に苦しめられていることと思う。
しかし、大会をすぐ間近に控えた今となっても、彼は笑顔を見せるのだ。いつもの通り、関西弁の軽いノリで。そんな枷など、気にも留めないとすら思わせるほどに。

「飛ぶでぇ・・・」
しかし、しばしば垣間見せる真面目なこの台詞は、「飛べると信じている」という内に秘めた意思を感じさせる。

だから私も信じようと思う。
鷭が大空を舞うその時を。皆が笑顔になる、その時を。
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飛ぶ鳥のように

昨日、夢を見ました。
私も、見た夢というのはほとんど覚えていないほうで、覚えているとしてもせいぜい「玉井がゴキブリ100匹ほどを従えてうちを訪ねてくる夢」とか飛び起きるほどの悪夢ばっかなんですけれども。
しかし昨日見た(と覚えている)夢は、そういったものではなく、「自分たちの作った飛行機で百メートル以上の高さを優雅に飛ぶ夢」でした。

無論、実際にはそんな高くは飛べませんし、優雅に飛べるほど必要出力も低くない、そんな不条理さからも、正夢等ではなく、まごうことなき只の夢であったのが残念ですが。しかし、すごく爽やかに起きることができて、起きた後もその夢を覚えていたのはいい気分でした。なんかいい夢をみたなあと思っても、大抵その内容は忘れてしまいますしね。

私も結構「縁起」というのを気にするほうなので、そういう点でも「縁起のいい夢」でした。大学入試に落ちる夢は何度も見ましたが、受かる夢はついぞ見ることが出来ませんでしたからねえ・・・
実際、機体もほぼ完成して最終段階となってくると、飛行機を飛ばすために私たちができることはそう多くありません。ちまちまと修理する以外は、せいぜいが祈ったりすることぐらいです。・・・ですがそうはいっても不安も多いわけで。
そんな気分のときにこういう夢を見られると、なんとなく安心します。無論根拠は無いんですけどね、でもほんとに飛びそうな気になりますし、心の中では自分は機体がそれだけ飛んでくれることをとても信じている、ということの証でもありますから。自分に自分は嘘をつきませんものね。

残り一週間。日々カウントダウンの如く減っていく日数が、いよいよリアルに感じられるようになって来ました。最後の追い込み、手を抜かないようにいきたいと思います。


しかし・・・なんでユキオと二人で乗ってたんだろう・・・? 続きを読む

お食事中の方はご遠慮ください

例えば。
付き合い始めた彼女が珍しく料理を作ってくれてですな、料理を運んでくるその手の指に、真新しい絆創膏が貼ってあったとしたら、いいなあ・・・という感じじゃないですか?不器用なのに頑張って作ってくれたんだね・・・と。
バードマンに入ってからそんな幻想はきっぱり消えました。今日も作業中にカッターでスパッとやってしまったわけですがね、まず一瞬の痛みに「ぐおおおっ!!」と叫び声を上げますし。「きゃっ♪」なんてかわいい声なんか出せるわけねー。
んで傷の深さにもよりますが間違いなく材料が血まみれに。私が削ってた部材も当然真っ赤に。ビバ動脈。
そして、切り傷というのは切って暫くしてからちくちくと痛み出すんですよ。料理出す頃には激しい痛みに苛まれながら、何で私がこんな痛い思いしなきゃなんねーんだと思ってること間違いなしですよ。だっていつも思うし。

しかし・・・長いことサークルやってきて他のメンバーがカッターで手を切るのをみたのは1度あるかないか。わたしゃ4回目なのに。私が特別不器用だとかいうこともないと思うんですけれど。
以前ミイに聞いてみたところ、「カッターで手なんて切るわけ無いじゃん」とこともなげに言われたことがあります。なんかとてもバカにされた気がしたものですが。
この言葉はよく考えると深い。すなわち、人間が普通傷つくのは突然転んだとか、見えない尖ったものにひっかかったとか、予期せぬ事態なわけです。刃物を扱うときは逆に、傷つくと「分かっているから」自分が傷つくはずが無い、と。切れると分かっていて刃のほうを持つ奴はいないわけですから。
だから普通、カッターのように危険な物を使うときにはきちんと気を遣うから怪我するはずが無い、怪我するのはお前の気が抜けているからだ、ということなのでしょう。いやはや、耳の痛いところです。

怪我をするのは道具が悪いのではなく、道具を使う人間が悪い、とはよく言われるところです。同じように飛行機が飛ばなかったら、作った人間が悪い、とも言えます。
そんなことを言われることのないよう、気を抜かずにいかないといけませんね。

ああでも、なんやかんやと文句を言われ、私のガラスのハートは傷つきまくりなの。うるうる。
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密カー大活躍

大会まであと二週間です。
着々と晴れ舞台が近づいてくるのを感じながらも、私だけかもしれませんが経験の無さゆえか、今ひとつ緊張感のほうは湧き上がってきません。試験飛行最初の日の前などは、一ヶ月以上前から不安にさいなまれていたものでしたが。うーんうーん、トラックがートラックがー
今年は大会開催が早まったこともあって、テストが大会前後にあるメンバーも多く、そっちにも気が行ってるかな、という感じです。しかしそれはいいことかな、と思います。緊張が分散されることで大会に入れ込みすぎないで迎えられるでしょうから。テストも大事だけど大会も大事。それくらいの意識のほうが、ミスしたりせずにいけるでしょう。・・・とでも思わないと大会当日のトラック運転なんざやってられません。

さて、かくて本番の差し迫った今週末、吉Gが雨で中止となったこともあり会場への道や施設のチェックをするため、彦根まで行ってまいりました。
まあ何度か大会見学で行ってはいるわけですし、わざわざチェックするほどのこともないとも言えますが、そこはそれ、石橋を叩いてわたる私三課長(B型)や石橋を叩いて叩いて逆に壊す会長(無論B型)としては準備はしすぎなくらいで十分というところ。
国道1号8号の大渋滞を抜け、二時間ほどかけて彦根に到着。市内の道を確認し、会場も見てきました。プラットフォームももう組み上げが始まっていて、いよいよという感じです。
会場周辺では今まで近くにホームセンターが無かったのですが、今回カインズホームがすぐ近くにできていました。これで便利になりますね~。
・・・来年から。OPEN7月20日て。

思ったより時間がかかり、かなり疲れましたが、十分下見は出来たと思います。本番ではあせらずいけるでしょう。

さて、残るはテストの下見となりましたので、誰か過去問を・・・
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