三課長のバードマンニッキ

京都大学バードマンチームShootingStars在籍時の、人力飛行機制作に打ち込むさまを赤裸々に綴ったブログ、 になる予定が自分の趣味丸出しになったブログです。 もとのブログが潰れて以来放置していましたが、なんとなく思い立ったので引越しして復活させました。修正・更新はしませんが良ければ御覧ください。 これで携帯にも対応です。 時系列順になっていますので、一番古い記事の人物紹介を一読頂くと他の記事がわかりやすいかと思います。

バードマンちょっといい話

バードマンちょっといい話 第6話

人は生きていく上で、どうしても成長しなければならない。肉体的にも、精神的にも。
ずっと無邪気な子供のままでいられたらどんなにいいだろうかと思ったことは一度はあるはずだ。ずっと友達と遊んでいられたなら、それはもしかしたら幸せなことだったのかもしれない。しかし、我々は大人になる。否、ならねばならない。そして、そんな子供であったことは忘れてしまう。・・・だが、もしかすると、そんな想いや記憶を忘れられることの方が、幸せなことなのかもしれない・・・。

市場孝之、と言う人間を一言で表すとするなら、私は「コドモな大人」が適切ではないかと思う。
リンダのように子供っぽかったり、ミイのように大人びていたり。成人式を迎えだすこの時期は、個人差はあれ「子供」から「大人」へと変わっていく時期である様に思う。それゆえ何かしら、子供っぽかったり大人びたりした一面は、確かに皆持っているように感じるものだ。
しかし、市場の場合は違う。彼は、一見表面上はリンダのように子供っぽい側面が大きいように感じる。だが、その子供っぽささえ演技であるかのような(無論実際にはそんなことはあるまいが)、仮面の下に成熟した大人の本性を隠しているように思えてならないのだ。

・・・いつだったかのミーティングでのこと。市場がメンバーに○○について気をつけて欲しい、と注意した後、だ。付け足すように、
「まあでも忙しい時期だし、無理はせんといてな。」
と小声で言った。
こうした小さなフォローは言葉尻を和らげ、後味の悪さを残さないようにするのに極めて有効だ。・・・当たり前のことのように思うかもしれないが、これが自然に、常に出来る人は意外に少ない。相手の気持ちを敏感に察することが必要だからだ。他の場面でも、ちょっと他人をからかってみたりしたときなどにも「まあ、それがお前のいいとこだけどな」と付け加えて締めることを忘れない。そういう細かい気配りが出来る「したたかさ」を、彼は既に身に着けている。
逆に、褒めすぎて相手がいい気になっているときには、「・・・と言うのは嘘だけどな?」とちくりと釘を刺すときもある。そうやってからかっている顔は、無邪気な子供そのものなのだが。

サークルで「一番忙しい」のはミイになるかもしれないが、一番「色々やっている」のは間違いなく市場だろう。サークル、学業に加え、バイトもあるし、マンガもゲームもやってるし、パソコンも詳しいうえ、バイクも乗り回している。・・・こう書くと、遊びまわっている駄目学生のようだが、市場は「何故か」そうならない。前日まで白紙でもレポートは何とかする、授業で寝てても単位もなんでか取る。とにかく「何とか」する。
さらに凄いのはやはり作業だ。主翼などは去年からのノウハウが有る程度あるが、MF組立はほとんど1からの作業だった。しかし。設計、精密性、組立技術・・・わずかな資料と他から聞いたヒントから新手法を次々と考案、手探りだったはずのMFさえ彼は「何とか」してしまった。
「俺、バードマン一の天才やから」と子供のように自慢げに言う台詞も、冗談めかした物言いだからこそ嫌味でなく、むしろ真実かもと思わせる。この言葉一つにも、そんな天才的な計算が隠されているのではないかと、彼を見ていると思えてしまうのだ。

・・・菊谷、劉、君たちの上司は単にエロいだけではなく、割と凄い奴なのだよ。分かってもらえたかな? 続きを読む

バードマンちょっといい話 第5話

京大バードマンの誇る最大の天才にして変人、リンダこと林田高志。
「な~に言ってるんすかぁ」「いややわぁ~」など独自の言語感覚はその面白さを理解するのにしばらくかかります。それゆえ、あまりその真価を評価されることが少ない彼ですが、その実、彼は非常に常識的で思慮深い人間であるということはなかなか知られていません。

彼がテレビゲーム好きなのは有名なことで、すでにスターオーシャンもレベル140というやりこみようです。加えて最近は朝バイトをすることも多いそうで、学業、サークルも合わせて割と多忙な生活を送っています。しかしそれでいながら、サークルを休もうという発想は彼にはありません。一応うちは自由参加な訳ですから、バイトのある日くらいは無理しなくてもいいとも思うのですが・・・。加えて、彼は下宿先が近いこともあって、ちょっと人手が欲しいときについつい呼んでしまうんですが、そういうときでも快く来てくれますし。片平と並び、三月中にサークルを訪れるほどの熱心さ、プログラムを使いこなすその頭脳はサークルにとって不可欠ですが、何よりそのやる気が、うちにとって最も必要なものなのかもしれません。

数ヶ月前のことです。当時次期機体の方針について何かと揉める事の多かったうちの代ですが、特に揉めたのが次期翼の設計者で、求められる知識と熱意のレベルの高さから、なかなかやり手がいなかったのですが、そんなときに颯爽と立候補したのがリンダでした。しかし彼は本来の役職はペラ担当です。そちらに影響がでることも懸念されましたから、本当にいいのかとそれとなく聞いてみたことがあるのですが、
「うん、元々やってみたかったし。それに、やっぱねー、いい物を作る上で一番大切なのは、団結力だと思うから・・・。」
と語った彼には、いつもとは違う頼りがいを感じたのを覚えています。

うちのメンバーの中で最も浮いているようで最もうちらしい男、それがリンダなのかもしれません。
全く、梅密や市場がベタ惚れなのも頷けますね♪
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バードマンちょっといい話 第4話

やっと初日の授業が終わり、90分という時間の長さに苦しむ輩の集まる午後のひととき。
今日もまた、安原と市場と梅原の新たな性癖が明らかになったりもしましたが、普通の一日でした。
そう、やっとバードマンにとって普通の一日に戻った、という感じです。

夏休み中は午後からばらばらと集まって作業をぐでーっとして夕飯食べて帰るってなサイクルでしたが、今日は授業終了と共に集まり、様々な作業を行い、夕飯をはさんでまた作業、それでもっていつの間にか日が変わるといううちとしては「よくある」パターンです。

さすがに先日までの生活パターンが抜けきっていないのか、皆12時ごろにはバテバテでしたが、結局一時くらいまで一杯残って作業してました。

まあ正直、こういうのはどうかなあと思うときもあります。間違いなく多少なりとも学業に支障がでてしまうでしょうし、健康にもよくはありません。ですが、わりと遅くまで皆でまとまっているというのは、連帯感というか、一つの目標に向かっている感じがして、得がたい喜びでもあります。これからまた作業も本格化し、あせったり失敗したりすることも出てくるのでしょうが、こうしていつでも頑張れる連中となら、きっと乗り切っていけるだろうなと、そう感じさせてくれる一日でもありました。

・・・しかしながら、その作業後にラーメン食べて、しまいにうちでマンガ読んでるところまで連帯しなくてもいいとは思うんですけどねぇ・・・(2人ほど私のベッドで寝てるし) 続きを読む

バードマンちょっといい話 第3話

暑いですねえ・・・早くも戻ってこなけりゃ良かったと後悔が。

今日は久々にいい話でも。最近ネタにしすぎた感があるのでご機嫌取りの意味も含めまして、ね・・・

我らがShooting Starsの誇る会長こと吉松祐香。今では私たちの代の顔とすら言える彼女ですが、いままでやってきた中で、多くの悩みがあったのではないかと思います。
彼女の出身は神戸の名門キリスト教系お嬢様学校。そこから男女比15:1ほどにもなる京大工学部に進学(しかもトップクラス)というのも驚きですが、その上彼女が選んだサークルはバードマンです。女性は実質彼女一人ですからね。まあ、逆ハーレム状態だといっても、ウチは工学畑のむっさいような男ばっかですから、あまりうれしくないでしょうし。あまり外に出しませんが、何度か「女の子入って欲しいなあ・・・」とこぼすこともありました。

確かに女性メンバーが今まで居なかったわけではありません。しかし、男に混じって頑張って作業するような人はそういなかったんではないでしょうか。正直女性があまり作業に参加できなくても、しょうがないこととは思うんですよ、ウチは力仕事も多いし、夜更かしはお肌の天敵ですし。しかし彼女は我々と同じどころか、上回るくらいの作業をこなしてきました。ついにはバードマン初の女性会長就任です。

個人的な意見ながら、彼女の最大のすごさはそのカリスマ性にある、と私は考えています。別に彼女は男勝りの強気な女性というわけではない、ぬいぐるみを抱えたり甘いものが好きな普通の女の子です。それでいて男に対して一歩も引くことなく、寧ろ上に立てるほどの「強さ」がある。少しは女だという武器を使っても誰も文句は言わないと思うんですが、そんなものに媚びたりする事もない。これはすごいことだと思います。
今は慣れない会長職に四苦八苦している感もありますが、それを克服すれば、私たちは間違いなく彼女の下、史上最高の機体を作り上げることが出来ると、私は確信しています。


何か「いい話」っていうより「偉人伝」みたいになってますねえ・・・
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バードマンちょっといい話 第2話

いやあ、予想に反して第二話を書くことが出来ました。この調子でいって、第100話では大会本番で優勝した話を書く予定なので皆さん頑張りましょう。

今日は梅密くんについてのおはなしです。
今でこそ彼は皆から不名誉な名前で呼ばれたりしている彼ですが、昔の彼はそんなことはない、純粋な青年でした。
彼は私たち初期入会メンバーと違って去年の夏から入会したただ一人の人間です。説明会などには来ていたものの、家庭の事情などもあったようで、入会したのはずっと後になってからでした。
鈴木前会長も後に「正直サークルになじめるかなあと思ってた」と語っているように、うちは残念ながら活動内容が専門的だったりすることもあって、途中入会者に対しては排他的になってしまう面があるのものも事実で、正直彼がサークルになじむまでは、かなり苦労したんではないかと思います。

ですが、彼はその困難に立ち向かいました。航空関係の専門書を読み、わからないことを尋ね、今では設計の一翼を任されるほど、その知識には皆から信頼を置かれるようになりました。
半年分の遅れを取り戻すのは、言うほど簡単ではなかったでしょう。しかし彼はやり遂げ、かつ本業の学業でも、単位を落としたりするようなことはありませんでした。

今、彼は病気という新たな困難に立ち向かっています。ですが、彼ならきっとそれを克服してくれるはず。そして、これからも我々バードマンの大きな力となってくれるはずです。
・・・でもrainy dayはダメダメやと思う。 続きを読む
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