模擬店の前を通り過ぎる人々。その中の一人がふと、足を止める。
「あの・・・ポテト、頂けますか?」
その声に、鍋の油を見ていた調理班も、呼び込みをしていた宣伝班も、その顔に笑顔を浮かべてこちらを振り返る。そして全員が、満面の笑みを浮かべて唱和する。
「お買い上げ、ありがとうございま~す!!」

周りはすっかり暗くなり、残った店が価格破壊の割引値を連呼し何とか売り切ろうと苦心する声の響くその横で。ひとまずの片付けも終わり、皆そろっての世間話のひととき。
「いやー、でもほんとよかったな。」
「去年は7,8時近くまで声を張り上げて売ってたもんな~。一個10円とかにしてさ。」
「今年は去年の倍近い売り上げだよ。成功だな~」
連日の徹夜、効率の悪い販売の去年に比べて格段の進歩。自然と全員の語調が明るくなります。
「なあ、打ち上げやろうぜ?」
無論利益はサークル運営費還元ですが、かように成功に終わったら財布の紐もゆるくなろうと言うもの。いいねぇと盛り上がる一同、そんな彼らを見ていると、私も明るい気分になります。

「じゃ、三課長の家で。」

・・・え?ちょっと待てよ、いま1、2、3、・・・・・・8人?
てかおい、なんで俺の家・・・

「さー、行こうか。道分からん奴はリンダについてけよ~」

いや、ちょっと俺の話も聞い・・・
-----------------------------------------------------------------------

以上、NF三部作でした。・・・結局この日は床で寝る羽目に。家主なのに家主なのに家主なのに・・・