私たちのサークル独特のウリとして、「バードマン3兄弟」がある。
三人兄弟揃って京大に入るという、本当に冗談のようなところからしてすごいものだが、その全員がバードマンという比較的小さなサークルで頑張ってきたというのは、ちょっと他にはないんじゃないだろうか。
そして今度の大会で、その最後のひとりも引退を迎えることになる。

主翼班最大レベルの難度を誇る作業の一つが「三次元切り出し」だ。技術は勿論のこと、作業する二人の息をぴたりと合わせる協調性も必要となる。自惚れ抜きで、私とユキオのペアはこの切り出しの息の合わせ方は抜きん出ていると思う。
であるが故に、後輩などに「私とユキオは昔すごく仲が悪かった」というと、割と驚かれる。しばしば冗談半分で「切り出しは仲が悪いほど上手くいくんだぞ~」と言うことがあるが、実はあながち嘘でもないのだ。

「だから、そんなに作業急ぐ必要全然ないだろーがっ!!」
「早く終わらせといたほうがいいに決まってるだろ!?」

昨年の機体製作中、同回の最大穏健派(要はサボりたがり)であった私と最大急進派(要はド真面目)であったユキオは度々口論を繰り返していた。もっと早く来い、自分の仕事をしろとがなりたてるユキオに対し、休み中くらいゆっくりさせろ、何で雨中パシらないかんのじゃと食って掛かったことは数知れない。
思えば当時ユキオは、兄達と共に頑張ってきた上回生やOB等の知名度や期待が高く、それに応えサークルを支えようとかなり頑張りすぎていた感があった。片や、さして重要でない主翼三課なんぞという立場で、楽しくやるのが一番よ~といった感じである私との対立は、ある意味必然ではあったかもしれない。

紆余曲折を経、私が少し真面目になり、ユキオが少し丸くなったことで、言い合いをすることはほとんどなくなり(どちらかというとユキオの歩み寄りのほうが大きいかな)、仲が悪かったことも、こうして苦笑いと共に昔話として話せるようになった。
ただ変わらないのは、ユキオはサークルの中心であろうとしていることだ。無論まとめ役は会長だが、機体のことを相談したり作業を頼んだり、皆で集まって謎の晩餐会を開こうということになると、皆まずユキオに頼る。そして彼は、それに応えられるだけの力を持っているのである。
きっと変わったのは、バードマン兄弟三男という肩書きのプレッシャーを振り払ったこと、ではないだろうか。そんな理由などなかったとしても、彼は今の私たちにとってとても頼れる存在であり、なくてはならないメンバーだ。そう私たちが、そして彼自身が気付いたからであるように思える。

「試験飛行そんなに多くやんなくってもいいじゃねーかよお・・・」
「いや、新しい機体なんだしそれくらいは必要やで?」

今年に入ってからもユキオと私のスタンスは基本的に真逆だ。
だがそれでいて切り出しの成功率は、去年より抜群に良くなっているのである。


その当人がこのニッキをしばらく見てくれてないということからも仲の悪さが窺えるわけだが。とある事実について、HPに書くなとその当人から念を押されている。のでここでは婉曲に留めることにしよう。
バードマン3兄弟の足跡は永遠である。
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結局この話も見てくれなかったみたいです。残念・・・

最近やっとウメツや玉井も割と成功してくれるようになりまして、安心して引退・・・できるかな?